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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2025.07/vol.238

ホスト役はだれ?

九十九島。さて、ひらがなをふってみよう。
時津港から30分。長崎空港で連絡船を降り、2階の土産物売り場に立ち寄ると、春休み前のフロアはカップル2組と同じ船に乗ってきたビジネスマン3人が回遊しているだけだった。調査目的の私は主通路に沿って塩干、練り物などの加工品を巡り、女性スタッフが品出し中の菓子コーナーに入って商品を見ていると、20代にみえる男女がやってきた。女性の方が積極的で、あれこれ男性に説明する声が響く。男性は保安検査場やカフェの方を眺めて生返事をしていた。視線を彼女に戻したのは、あるお菓子を手に「ラングドシャ知ってる?」と、きかれた時。「ラングドシャ?」彼が復唱すると「白い恋人みたいな」と、ほかの菓子にたとえ楽しそうに説明する彼女。このやり取りは女性スタッフにも聞こえたようだが、チラ見して行くのを止めたようにみえた。「おいしそうだね」と、納得した彼は「他におすすめは、ないの?」と彼女にきいた。すると、平台の奥を指さし「かんころ餅も、おいしいよ」と返していた。再び彼が「餅?どんな味?」と聞くと「餅というより干し芋みたいで」と説明する彼女。女性スタッフに目をやると、今回も品出しの手をとめなかった。私は、接客すればいいのに、と思っていた。すると今度は「きゅうじゅうきゅうしま?」と、箱を手にとった彼。「えっ、これなに?」と、おぼつかない彼女。箱を裏返す彼女の姿に、すかさず女性スタッフが近づき、彼女に向かって「失礼します」と声を掛けてから、こちらは「くじゅうくしま」と読みますが「つくもじま」もございます、と説明し始めた。私も顔を向けて聞き入ってしまったが、どちらも「九十九島」と書き「くじゅうくしま」は、佐世保市から平戸市に拡がる群島。「つくもじま」は島原市沖に拡がる島々だという。
私は女性スタッフを誤解していた。カップルの彼女のプライドを尊重し、楽しいやりとりの邪魔をしないよう、接客を控えていたに違いない。しかし、地名となれば難易度が高い。おぼつかない様子を見て助け舟を出したのではないかと。スタッフからの学びは「ホスト役の支援」。先のカップルならホスト役が彼女だから、彼女が困ったときにだけ助け舟を出すのが好ましい。神対応を目指す時もホスト役より目立ってしまっては「神」にならないので気をつけよう。

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