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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2025.06/vol.237

予防線

日曜の午後、ぼんやりテレビを観ていて、ふいに目を奪われるシーンが出てきた。それはクレーマーの暴言や行為を説明する飲食店のインタビュー。私の心に引っかかったのはクレーマーの言動ではなく「とにかく謝り続けるしかなかった」という店主の言葉。そしてある事を思い出した。
ずいぶん前だが、ドーナツを購入し箱を預けて店を出たことがあった。ほどなく用事を済ませて戻り、箱を受け取り家路についた。居間でふたを開けると、あれっ、数が多い。しかも、注文していないドーナツが入っている。普段注文しないそれを見て私も家人も「どれも美味しそう」と、むしろ嬉しかったが、一応、取り違えなので店に電話することに。丁重に謝る店長は、そのままお召し上がりください、次回ご来店の際、注文の品をお渡しします、と。1週間後に足を運ぶと、店長の女性が、申し訳ありませんと何度も頭をさげ、こちらが困惑してしまった。もしや、私がむっとしているように見えたのかもしれない、と不安になったことを覚えている。
この件があってから予防線をはっている。トラブルに遭遇したら、先に「怒ってませんよ」を伝えてから要件を話すようにしたのだ。
しかし最近もやもやすることがあった。食券機の調査で飲食チェーンに入り、揚げ物を注文した。給仕されたそれをひと切れつまむと、揚げ物の下に敷かれた網に青く光るものが絡んでいるようにみえた。となりのひと切れをつまむと、今度は青いものが刺さっていることに気づく。これは金物たわしかな?昼下がりで客もまばら。私はカウンターでグラスを揃える女性スタッフに手を挙げた。本題に入る前に予防線をはってから現物を見せ「大丈夫、この部分は残します」と、済ませた私。彼女は申し訳ありません、と言ってカウンターに戻っていった。過度に謝られることもなくホッとした私。ササッと食事を済ませ店を後にしたが、なんとなくもやもやしていた。あの青く光るものについて、ちゃんと厨房に伝えただろうか。洗い場のタワシ類を点検しただろうか。私の「大丈夫です」を言葉通り受け止め自分の中だけに留めていたらという不安。他のお客様ならクレームになるかもしれない・・・。
こんなことを書いていると、職業病だなあ、と片づけられそうだが、私はいたって真面目だ。コンサル先でなくとも、ついつい老婆心が働いてしまうのだから。

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株式会社ケンオリ
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