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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2021.12/vol.195

意外な組み合わせ

5月連休明けに、3つの支店を持つ情報サービス業の人事担当と対話した。話題は新入社員について。覚えることが沢山あり上司の言葉に素直に従う彼らだが、半年もするとこの関係も変わり、少数だが、退職を考える人も出てくるという。珍しくない話だが、記憶に残ったのはここからで、彼によれば、受注や販売成績は個人の実力だけでなく、新入社員(新人)と上司、その組合せの影響も大きいと言うのだ。
新卒でも中途でも新人の配属先には必ず上司がいる。その上司には実力が高い上司もいれば低い上司もいる。一方新人にも質の高い人もいれば質の低い人もいる。すると、両者の組合せは次の4つになる。①上司の実力が高く新人の質も高い。②新人の質は低いが上司の実力が高い。③新人の質は高いが上司の実力が低い。④上司の実力が低く新人の実力も低い。以上4つを受注や販売成績の高い順に並べると、どのようになるだろうか?最も成績が良いのは①上司の実力が高く新人の質も高い場合だ。2番目は②新人の質は低いが上司の実力が高い組合せで、ここまでは想像通りだろう。興味深いのはここからで、3番目は④上司の実力が低く新人の質も低い組合せで、一番成績が振るわないのは③新人の質は高いのに上司の実力が低い組み合わせだという。意外だった私は彼に理由を尋ねた。
その応えだが、質の高い新人は早く一人前になりたいので上司の指導を一所懸命に受け入れる。ところが実務に就くと上司の指導に従うだけではうまくいかないことがわかる。中には指導の仕方や仕事の指示に一貫性が無い上司もいるが、質が高い新人ほど飲み込みも良く行動力もあるので、上司をあてにしなくても成績を伸ばすことができる。半年もすれば彼らの実績や意見が周囲をうならせるケースも出てくる。このまま新人に手柄を立てさせれば上司も鼻高々だが、ミーティングなどで新人と衝突することが増えた上司の中には、意見の違いを個人批判と受け止め新人に辛く当たる人が出てくるらしい。すると、上下関係にひびが入り新人は仕事に集中できず意欲を失い、成績が最下位の組合せになってしまうというのだ。入って3年くらいで辞める一因はここにある。
こうした人間関係の悩みは、事業規模や業種を問わず潜在している。上司も新人も貴重な人材なのだから、適時対話の機会を持ち、心の溝が深まる前に何らかの手当てをしたいものだ。

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