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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2023.06/vol.213

野良仕事のDNA

部下にやる気を出してほしい、と願う上司は多い。これに対する私の応えは「あなた(上司)みたいになりたい!と、言わせればよい」だ。これは上司の働く姿が部下のモデルになればよい、という意味。上司が毎日意気揚々と働いてみせれば、素直な部下ほど触発され言動が変化する。新人もベテランも、実に細かく上司を観察しているものだ。顔色がいい、簡単なことを丁寧にやる、自信を感じる言葉尻など、ひとつひとつは小さいけれど、好感が持てることを継続していると、必ずそれらが部下に伝播し、真似る人が出てくる。それは、私たち人間が元々働くことが好きで、役立ちたい、応えたい気持ちを心に持っているからだ。上司は、部下がそれに気づき、思い出すきっかけを与えるだけでいい。そう言われると、元々働くことが好き?と首をかしげる方もいるだろう。そこで子供たちの話をしよう。
昨年11月の早朝、ラジヲを聞いていると、ある俳優が主宰する野良仕事体験会のエピソードを紹介していた。それは、都会の子供たち対象に、田畑の草むしりや耕す仕事を体験させる企画。始めは泥が汚い、草むしりが面倒くさい、虫が怖いと乗り気ではない子供たちが、作業に勤しむうちに積極的になり、やがて笑顔と共に歓声を上げるという。体験会の終盤は、自由に作文を書いてもらうのが恒例だが、驚くべきはその内容だ。なんと70%の子供たちが「懐かしかった」という意味合いの感想を書くという。野良仕事が初めてのはずなのに、なぜ?と、不思議に思った主催者が大学教授にたずねたところ「それは日本人がもともと持っているDNAだよ」と、教えられたという。つまり、私たちの中には、働くことに清々しさや喜びを感じるDNAがもともと入っているということだ。
さて、部下のやる気についてだが、大人になって店や会社で一所懸命に働く醍醐味も、もともとDNAに入っていると考えられないだろうか。きっと、上司のあなたも新人時代に思い当たることがあったはず。恥ずかしがらずに自身が働き甲斐を感じることや、仕事に目覚めた時のことなどを語り、そしてモデルとして一所懸命に働いてみせてはどうか。視線を感じたり、周囲の言葉が変わってくればしめたもの。気づきと目覚めが密かに拡がり、感性の鋭い部下から変身していくはずだ。

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