統計
上繭生産量
上繭とは製糸原料として合格したまゆのことで、福島県の生産量は全国第3位。4位以下とは大きく差がついており、上位3県で全体の7割を占めている。
福島県は古くから養蚕や絹織物が盛んで、和歌に詠まれた「しのぶもぢずり」は信夫地方で生産された絹織物を指している。江戸時代には蚕種(蚕の卵)の品種改良や飼育方法などの研究、蚕種・養蚕・製糸の分業化が進み、安永年間には幕府から「蚕種本場」の称号が与えられたという。明治・大正時代には主要輸出品となった生糸の集散地である福島に日本銀行福島出張所が開設される。東北初、全国で7番目の早さであった。
現在は養蚕農家も激減し、県北地方に広がっていた桑畑は多くが果樹園となったが、川俣町では伝統の薄地絹織物「川俣シルク」の技術を生かしてさらに薄い織物を開発するなど、世界的に注目されている。
出典:福島県農林水産部「令和2年度 ふくしまの蚕糸」 (一財)大日本蚕糸会調べ