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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2025.01/vol.232

ひとりの顧客と深く関わる

この薬局の店主と対話したのは12年ぶり。彼女は、既存客にとある企画への参加を呼びかけ、薬を売らずに存在価値を高めていたのだ。切り口はヨガ教室。彼女いわく、お通じに悩む人はヨガに通っている。つまり便秘薬マーケットにいる人はヨガマーケットにもいる、と。おもしろい見立てだと思った。薬に頼らずヨガで何とかしたいと考える人がいるということは、ヨガに通う人の中に、お通じに悩む方が少なからずいる、というもの。
興味深いのはこの見立てからヨガ教室を開くまでの経緯やきっかけだ。
沢山のお客様の声や業界の流行に乗ったわけではない。とあるお客様と深く関わるうちに確信を得て教室を開いたのだという。その方は店の常連で、今まで何度も相談にきていた40代女性。店主は彼女の生活習慣を丁寧にヒアリングした。すると薬に頼らず改善しようと毎日のヨーグルトやオリーブオイル、炭酸水、玄米など、お腹に良さそうな食品を欠かさず摂取していることが分かった。しかし、ポイントは腸を動かすこと。腸の動き自体が鈍ければ改善しにくいことも知っていた。もちろん運動の助言もしてきたが、どうも三日坊主らしい。なんとか助けたいと考え、ヨガ教室を開いたという。早速、外部の講師と連携し少人数の教室を企画。SNS等で呼びかけてみると、コロナ禍ではあったが既存客を中心に毎回1~5人集まった。皆がお腹の悩みではないが、何かしら悩みを持っていたようで、相談客としてお付き合いが始まる方もいたという。2か月経たないうちに、きっかけとなった40代女性顧客からお通じが改善しているという声が聞かれとてもうれしかったという。1年経過すると、この教室をきっかけに妊婦さんやその予備軍の相談客が増えたという。
ところで、このエピソードからの学びは何か。先述の通り、薬局がヨガ教室を企画することは珍しくない。しかし店主は同企画をずいぶん前から頭におきつつ実践できずにいた。他店がうまくいっているならウチも、というノウハウ思考では動かなかったわけだ。先述の通り、1人の顧客の声に耳を傾けることで「ヨガをやってみよう!」と、決断した流れ。ここが重要だ。親身に相談に応じ、深く関わることで使命感が芽生え、それが実践につながる。やる気や行動力で悩むときは、この店主のように1人と深く関わる姿勢を真似てみるのもよいだろう。

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株式会社ケンオリ
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