会津松平家別荘の趣をそのままに
「まちの駅 薬草の駅」
「まちの駅」シリーズ第14弾。遡ること約380年ほど前。陸奥会津藩23万石へ、会津松平家の初代藩主としてとりたてられた保科正之。室町時代につくられたこの御薬園を保養所とし、その往時の風情は、今なお、この地に息づいています。
永亨4年(1432年)、芦名氏十代盛久がこの地に別荘を建て、十六代盛氏によりこの別荘を復興させたことが御薬園の創始とされています。その後時代を経て、徳川家康の孫にあたる保科正之が会津に入り、この御薬園は、会津松平家歴代の藩主により隆盛をきわめていきます。「ここ御薬園は、全国的にもめずらしい、藩主の別荘が体感できる貴重な場所なんです」とお話しいただくのは、昨年11月からこちらに赴任された新井田課長。御薬園草茶を一服頂戴しながら、「ここは日本庭園ですので、それぞれの風景にそれぞれの表情があり、とてもうつくしいところです。ここと同じお庭をつくりたいというお客様もいるほどなんです」。
ゴールデンウィークが明けるころには、併設している薬草畑が青々としてきて、約400種類もの薬草・薬木が香りを放ちはじめます。「そのなかから、なるべく自然の香りをあじわえる4種類の薬草茶の試飲を売店にご用意しております。この薬草栽培は、会津松平家3代目藩主正容のときに、幕府より朝鮮人参種をもらいうけ、5代目藩主容頌のときから本格的な生産が行われるようになり、会津藩の財政をささえてきました」。この春には、明治期の建物改修工事が完了し、来年度以降、江戸期の建物の修繕に入るそうです。「7月には、毎年恒例の『蓮まつり』が行われます。そのなかで『象鼻杯』というめずらしい体験会もありますので、たのしみにしていてください」。
会津若松市花春町8-1
TEL 0242-27-2472
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