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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2025.05/vol.236

口角のあがる所感

所感に口角が上がった。
店主は三代目。家族で菓子店を営んでいる。コロナによる購買行動の変化。戦争による原材料の値上げ。大津波に被災しても負けじと工場・店舗を再建した店主だったが、続く逆境には、さすがに気分が沈む日が続いたと思う。
しかし、2023年の4月に届いた報告では客数と売上共に大きく伸び、少しほっとしている店主の顔が浮かんだ。そして私の口角が上がったのは、客数と売上欄の上を読んだとき。そこには、お客様から褒められたこと喜ばれたことが綴られていた。
一部引用すると「最近のKは特においしくなっているとほめられた」「Aがおいしいと聞いたので買いに来たというお客様がいた」。Kはこの店の看板商品である和菓子、Aは焼き菓子のことで、この2行から、目がけて来店してくださったお客様への感謝の気持ちがうかがえる。また、同業の方なら、最近のKは特においしくなっている、という一行を読み返したはず。常連客の舌は鋭い。そして看板商品にあぐらをかかず深化に余念がない店主に、きっと敬意を払うだろう。
ただ、口角があがったのはそこではない。お客様から褒められたこと喜ばれたことのくだりの所感。そこには、かっこ書きで店主の本音が手書きされていた。Kが褒められたくだりには(仕込みの水の温度を息子流に変えたからかもしれない)とあった。この「息子流」がいい。Aのくだりには(昨年から生地の配合を調整しているのが吉と出た)とある。「吉と出た」という表現から、おそらく配合の調整にもご子息がかかわっていたのではないかと感じた。期待と不安が交錯していただろうし、お客様の声によってパッと気持ちが晴れたに違いない。様々な感情が伝わってくる所感だったが、その主役が4代目にあたるご子息だったことに、自然と口角があがったわけだ。
今日は進化ではなく「深化」という言葉をつかった。看板商品にあぐらをかかず、その存在価値を更に高める行動が印象に残ったからだ。また、吉と出るか否かは、やってみないとわからない。その「真価」がお客様に伝わるまで続ける大切さも再確認させられた。そして真価は深化に宿る、これも店主からの学びだ。ご子息の成長のかげには、やらせてみる勇気と見守りがあったことも添えて、お開きにしよう。

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株式会社ケンオリ
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