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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2023.09/vol.216

記録と振り返り

事業欲旺盛で、これまでに教育事業を複数展開してきた彼も58歳になる。中高年の危機なのか?最近は予定を組んでも思うように進まず、悩んでいた。と言っても、とりわけ忙しいわけではない。なんとなく1日が過ぎ、気づけばもう夕方。このままではいけないと思っていた。何もしなければ慣れてしまい、変える気概もなくなるが、幸い、彼は行動を起こした。
彼が始めたのは、1日を振り返る「自分への日報」だった。留意点は「記録」だけでなく「振り返り」をすること。まず、記録だが、行動したことを時間付で書き出すだけで良い。例えば私なら、8:15~10:30執筆、10:30~10:45メール返信、10:45~11:30休校中の娘の学習支援、11:30~13:00昼食など。これは1日の時間づかいが簡単にわかるエビデンスだ。すると、朝一の仕事は捗ったとか、思ったより自分にしか出来ない仕事をしていない、と気づく。そして、もう一人の自分が今の自分に語りかけてくる。この、もう一人の自分とのやり取りが、振り返りだ。振り返りの効用は素晴らしい。
できなかった、及ばなかったことの後悔に終始せず、明日はこうしよう!という意欲を高めてくれる。これで行動が変わり、丁寧な時間づかいが増えれば夕方に充実感を味わえる。この快感が続けば翌日の予定も自然と浮かび、経営者の彼にしか出来ない仕事が捗り始める。これが冒頭の悩みが解決する理想の流れだ。
記録と振り返りを実践して1カ月の彼に近況を聴くと、少しやる気が出てきた気がするが、正直なところ、あまり変化は感じない、と言っていた。私は、そのほうが安全だと思った。考えてみて欲しい。急成長した事業や商品は、急減速することが多い。理由は、「急」の付く変化は、見えないところで無理をしている場合が多いからだ。人の容態も似ていて、特に心の中は要注意。
先の経営者の症状も、あっさり良くなれば嬉しいが、その場合、またすぐ前の症状がぶり返すかもしれないということを。
仕事柄、幅広い年代の経営者とお付合いさせていただき、今回のような事例も何度か経験してきた。この紙面で「よくなりました」と締めれば後味も良いのだが、現実は先述の通り。なにも経営者に限らず、あなたの部下にこのような症状の方が出るかもしれない。その時は急回復を望まず、ゆっくりペースを戻せるように寄り添い、見守ってほしい。

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