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たかはしこうじのマーケティングスパイス

2020.03/vol.174

冷めてしまうのはもったいない

売場6坪の狭小店。立地は路地裏、商品は呉服。看板や織が無ければ呉服店とわからない外観。2代目の40代半ばの男性店主の行動は目を見張るものがあった。呉服をドレスコ ードに一般の方も参加できる食事会やH帰り旅、季節ごとの展示会の企画など。こうした定番催事を一 人で切り盛りするだけでも仕事量が多いのに、昨年夏から約半年で3つの新企画に挑戦したところ見事需要を顕在化させ、いずれも好反響が続いている。
3つの新企画とは①着物引取サービス②中古着物販売③着物生地をあしらったオー ーベストと小物の企画販売。①引取サービスと言え ば「断捨離」や「終活」が浮かぶ。案の定、市外からも複数引合いがあり 「リサイクルショップは抵抗がある、専門店なら安心」と、想い出の着物の始末に困っていた方に大変喜ばれた。②中古着物は特注の衣桁に 十数点陳列するとすぐに売れ始めた。店主の目利きと廉価設定が入門品を探していた着物初心者に喜ばれたのだ。今後ヘビーユーザーの琴線に触れる逸品が並べば他店の顧客が店を覗くきっかけになるかもし れない。③着物生地をあしらったオーダーベストも数着だが受注した。

市外のテーラーとの共同企画は初めてだったが、双方の業種に一石を投じたはずだ。
これら3つの新企画がうまく走り出したのは店主の感性と行動力あっ てのこと。おそらくこれらの企画を同業者に語れば「ウチも考えたことがあるよ」と軽く返されたに違いない。なぜ同業者は行動しないのか?それは、いい時を経験した店主ほど呉服屋は新品を売るべきというプライドがあり、現在のお客様の心模様に気が回らないのかもしれない。これをチャンスと思った店主は粛々と企画を進め、先述のとおり需要を顕在化させることができた。
さて「ウチも考えたことがあるよ」だが、この言菓で冷めてしまうのはもったいない。事例は呉服だが、あなたの店にもプライドが邪魔して触らずにいた企画や、手間の割に儲からないと見送った企画はないだろうか?はっ!とした方は、今度こそ冷めないうちに動き始めて欲しい。そもそも、店のプライドや効率はお客様に関係のないこと。肝心なのはお客様の立場を踏まえ自店の役割をはたすことなのだから。
(平成30年3月7 日執筆)

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