2025.10/vol.079
神無月と神在月
神無月は、旧暦の10月を指す日本の呼び名で、「神が無い月」と書きます。これは、全国の神様が出雲の国(現在の島根県)に集まるという神話に基づいており、その間、神様が不在になると信じられてきました。しかし、すべての神様が出雲に行くわけではなく、地域を守る神様の中には、その地にとどまって人々を見守る神様(恵比寿神など)もいるといわれています。
一方、神々を迎える出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼ばれ、出雲大社では「神在祭(かみありさい)」という神事が行われます。ここに集まった神様たちは、人と人とのご縁、仕事や運命など、あらゆる“縁”について話し合うとされています。そのため、出雲大社は「縁結びの神様」として知られ、多くの参拝者が訪れます。
神無月という言葉には、神々と人との関わりや、日本人の精神文化が表れています。ほかにもさまざまな説があるので、ぜひ調べてみてください。